今回は家の事を書きます。あと自分のことを「俺」とか少々汚い言葉で表現するが許して欲しい。
少しでも具合の悪い事であれば即、削除しますので折角コメント記入していただいた人には申し訳ありませんがご了承いただきたい。
俺は基本的に1人暮らしだが、他所で一人暮らしの兄と実家に父母、そして居ついてしまった雌猫が居る。
オヤジは小さな会社を経営していた。
景気の良い頃は平日ゴルフだの高級居酒屋だのひとり羽振りは良かった。しかし長引く業界全体の不景気で倒産した。
誰の相談も無く個人的な「お付き合い」で勝手に建てて22年間生活していたその家は、新築で買ったものの住みにくくしかも不便。
そんな家も担保にかけられ引越しを迫られる事になった。
以前、何気なく見ていたテレビのドキュメントが他人事でなくなっている。
最初は実感沸かなかったが家財道具類を少しづつ処分してゆくうちにひしひしと感じてきた。
オヤジが勝手に引越しを決めたその日は年も押し迫った23日であった。前日に会社の忘年会があったが断った。
天気の良い寒い朝であった。
引越しもプロではなく下請けの男3人が平台トラックをレンタカーを借りて乗りつけてきた。
次々と荒々しく荷物が運び出される。猫が嫌がって家出をしてしまった。
俺は留守番しながら忘れ物がないかチェックしている。
日が傾く頃にはあらかた運び終えた。
兄が家の車(この車も俺名義で母に金を出させ見え張って知り合いのディーラーから買ったもの)で母を迎えに来た。猫はまだ帰ってこない。
先に母を送り出し、ガランとした家でひとり待つ。日が暮れるころ猫が帰ってきた。逃げ出さぬよう猫に首紐をつける。凄く辛い。可愛そうだが仕方が無い。
やがてオヤジが迎えに来た。のこり僅かの荷物と嫌がる猫を引っ張り車の中へ。
車の後部でずっと猫は鳴き続けた。俺も辛いが何も知らない猫はもっと辛いであろう。
長い時間に感じたが、30分くらいで新しい家に着いた。
築40年以上の古い家である。今までの半分くらいの広さで、いたるところ歪んでドア開閉もままならない。
唯一広い部屋は、ここまできてもオヤジに占領され、戸棚も自分のもので埋め尽くされていた。
猫は紐をつけたまま押入れの奥に入ってしまった。震えている。死にたい気持ちだったろう。
新聞の勧誘が来た。普段はうっとおしいがこの日ばかりはなんだか支えられた。
気が付けば手が汚れていたので洗おうと洗面所のお湯をひねるが蛇口がさび付いて動かない。
どうにか開いても錆だらけの水でとても飲む気にはなれなかった。
みんなで晩飯を食べに行った。刺身や鍋を食べたが美味くはなかった。
家に帰って、順次風呂に入る。金属製の湯船に追い炊きは付いていない。スイッチの無い換気扇が回り、容赦なく暖気を外へ追いやるのでかえって寒い。
片付けのいかない家にどうにか寝るスペースを設け、布団に入る。
長い事住んでいない家だったらしく、底冷えがする。温度計を見ると0度であった。
猫も意を決して動き出し、鳴き喚きながら家中、時には外へと歩き回る。
疲れていたが寝る事はできなかった。
翌日、オヤジが勝手に朝飯を買いに行った。コンビニのおにぎりである。食べたくも無いものを並べられてもとにかく口の中に押し込むだけであった。
部屋の荷物や家具の件でオヤジが切れた。俺も切れた。
昨日の下請けがやってきてエアコンを取り付け、別の業者が家具を届けに来た。
猫が嫌がるので、押入れの布団の上を誘ったらそこでようやく寝てくれた。
洗濯機の水道水が出ない。管が凍っているらしい。お湯の蛇口が使えたので給湯スイッチを切って母が洗濯を始めた。しばらくお湯は使えない。
兄はカーペット敷いたりテレビアンテナの設定やら蛇口の修理やら必死だった。
また日が暮れてきた。
今日から教習所なので、後ろ髪を引かれる思いで家を後にして西武線の駅へ。今夜も寒い。
国分寺に出る。改札を抜けて明るくにぎやかなコンコースへ。飾り付けられたツリーが眩しい。
今日がクリスマスイブだとこの時初めて知った。
見渡すと周りの人達は皆、笑顔ではずんだ足取りである。電車とバスを乗り継いで教習所へ。辛いはずの教習項目が不思議と楽しいものであった。
あまりにも淋しいのでスポーツジムへと足を運ぶ。
他に来ていた常連は同い年の男一人だけであった。「これから彼女と教会にいくんですよ。」と早々と帰っていった。
完全に孤独になった。惨めである。自宅への帰宅途中、少し胸がこみあげてきた。
翌日、寒さ感じず日帰り旅行を敢行した。
35年以上生きてきたが、これほど精神的にこたえた日は久しくなかった。
その後半年ほどで実家はそこから脱出する事ができたが、母親は度重なる引越しで少し体を悪くしてしまった。基本的に元気であるが、猫も。
全てはオヤジの見栄とやせ我慢と無責任に起因するものである。ブログに載せる事は本人に伝えてある。
少し物足りないと感じる位の平和な生活がいちばん幸せな人生なのかもしれない。
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