眠れない夜 1
夜、寝ようと床についたが寝付けない。昨晩もそうであった。
とにかく寝付かないと、とばかりに明日の事など考えるとかえって目がさえて悶々となる。
そんな時は思うがままにあきらめると意外と寝付けるものであった。
さて、これは今から23年前の話。とはいっても不思議な事が起こったわけでもない。
前の年(24年前)の夏休みを夢うつつで思い出しながら過ごしているのでご理解いただきにくい部分もあるがご了承いただきたい。
いつもどおり布団に入る。しかしどうしたものか、普段なら意識がなくなるはずであるがこの日に限り意識がはっきりしている。
しばらく目を閉じ続け、じっとしている。ダメ。寝返ってポジションを変える。それでもダメ。
そうこうしているうち家族全員寝たようで家や周りが静かになっている。
時計を見ると午前1時。かなり焦る。
やむなく起きて電気をつけて、とりあえず時刻表、中央線のページを開く。 (時刻表は最近83年9月号が入手できましたのでそれをまとめました。)
今現在アルプス9号、まもなく甲府。11号大月発車。13号は上野原付近か。
当時、松本まで乗車した初めての夜行列車・441M鈍行は、後ろに荷物車2両つけて堂々10両、相模湖を発車したところだ。
115系のサハ車2両をはさんで暗闇の山道を突き進む。窓を開けると冷たい風が心地よい。おっと照明が明るいから虫が入ってきた。
編成の後ろから荷物車の重いツリカケモーター音がこだまする。
律儀にこんな時間でもひとつひとつ駅に停まる。その度に乗客が少しづつ下車し、車内が空いてゆく。
でも発車の度に「ドカドカドカーン!」といった揺れは辛い。
1時45分か。9号はもう甲府を出たころだな。53号は走っていれば甲府着。11号は山梨市を過ぎ、13号は笹子トンネルあたりか。
441Mは大月停車中。新宿駅ホームでクーラーボックスを並べて売っているスタンドで大人びて買った缶コーヒーを開けて飲む。
時刻表のページをめくる。富士急行が河口湖行きを接続している。休日だけであるが2時20分発のこれに乗れば3時13分に河口湖に着く。
すぐにバスに接続し裏三つ峠に3時45分、ここまで行ける。富士山の御来光を拝めるのだろうか(ここはどうやらハイキングではなくクライマーの場所らしい。最近知りました。つまり朝からクライミングをファイト一発する人たちの為のアクセスですね)。
2時ちょうど。11号はキリの良いこの時間に甲府を発車したはず。13号は山梨市を通過したところ。441Mは笹子トンネルに向けて快速運転をしています。こんな場所でもう上り442Mとすれ違いました。
小型ラジオをボリューム最小にして聴く。DJがリクエストを読み曲がかかる。
40分が過ぎ、13号は今頃甲府。441Mは山梨市に到着して隣の席の人が下車。ようやくシートに横になれます。でもNCAAのショルダーバッグのベルトは離せません。大した物は入っていませんが。
横になったとはいえ発車時のショックはシートから落とされそうだ。うつろなまま甲府到着。
時計を見るともう3時。長い夜は「つづく」・・・。
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コメント
昔はこれだけ夜行が走ってたんですよねぇ・・・
夜の新宿駅で一人興奮して1~6番線を眺めていた、少年時代のアタクシ。
おぉ?!辰野行き、なんと客車ぢゃないッスかー!
8401列車の折り返しは、午後の上り急行か中野17時5分通過の回送のどちらかでしたなぁ~、私の知っている時代は。
最初は12系8両で、途中から14系(8→6両)でしたね。
14系寝台車付の「アルプス91号」だっけか、あれもよかったなぁ・・・
投稿: ともぞう | 2007年5月28日 (月) 16時43分
そうですね。客車アルプスの折り返しは松本から岡谷まで回送扱いで、岡谷始発のアルプスでしたね。
下り59号は後日アップしていこうと思いますがそろそろ記憶が曖昧なので、どうなる事やら。
投稿: 二足歩行@やす | 2007年5月28日 (月) 17時26分